革製品を長く使うために、

してはいけないこと

革製品は、使うほど少しずつ色が深くなり、艶が出てきます。


最初は少し気になっていた細かな傷も、使っているうちに少しずつなじんで、その人だけの表情に変わっていく。


僕は、そんな変化も革製品を使う楽しみのひとつだと思っています。


ただ、どんな変化も「革の味」になるわけではありません。


水によるシミやカビ、アルコールによる色落ちなどは、一度起きてしまうと元の状態に戻すのが難しいものです。


だからといって、特別なお手入れを毎日のようにする必要はありません。


むしろ大切なのは、革にとって負担になることをできるだけ避けること。


今回は、&Liebeの革製品を長く使っていただくために、普段から少しだけ気をつけてほしいことをご紹介します。

1. できるだけ水に濡らさない

まず気をつけたいのが、水です。


革は水に強い素材ではありません。


雨や飲み物などで濡れると、シミや変色、水ぶくれのような膨らみができることがあります。


また、濡れたままの状態で放置すると、カビの原因になることもあります。


とはいえ、毎日使う革製品ですから、突然の雨などで濡れてしまうこともあります。


そんなときは慌てず、乾いたやわらかい布を押し当てるようにして、やさしく水分を取ってください。

ここで気をつけたいのが、


「早く乾かそう」とドライヤーの温風を当てないこと。


急激に乾燥させると、革が硬くなったり、縮んだり、ひび割れにつながったりすることがあります。


水分を拭き取ったあとは形を整えて、風通しのよい日陰でゆっくり乾かしてください。

2. インクがついても、アルコールで拭かない

革のペンケースを使っていると、万年筆やボールペンのインクがついてしまうことがあります。


お気に入りの革製品だからこそ、

「すぐにきれいにしたい」

と思いますよね。


そこでアルコールや除菌シートを使いたくなるかもしれませんが、これはおすすめできません。


アルコールはインクだけでなく、革に含まれている油分や、表面の染料まで落としてしまうことがあります。


その結果、その部分だけ色が抜けたり、白っぽくなったりすることがあります。


インクがついてしまったときは、まずは強く擦らないことが大切です。


表面に軽くついた程度の汚れであれば、消しゴムでやさしく擦ることで薄くなる場合もあります。

ただし、革の種類や仕上げによっては表面を傷める可能性もあるため、目立たない場所で試してから、力を入れず少しずつ行ってください。

完全に落とそうとして何度も強く擦ると、インクが広がったり、革の表面を傷めたりすることがあります。


汚れを完全に落とすことよりも、革そのものを傷めないことを優先する。


これも、革製品と長く付き合っていくために大切なことです。

3. 湿気の多い場所にしまわない

久しぶりに使おうと思って取り出したら、革にカビが生えていた。


できれば避けたいですよね。


特に気をつけたいのが、押し入れやクローゼットの奥、長期間使っていないバッグの中などです。


こうした場所は、思っている以上に湿気がこもることがあります。


普段から使っている革製品であれば、それほど神経質になる必要はありません。


ただ、しばらく使わないときは、表面のほこりや汚れをやわらかい布で軽く拭いてから、風通しのよい場所で保管するのがおすすめです。


「大切だから箱の奥にしまっておく」よりも、ときどき外に出して状態を見てあげる。


それくらいの付き合い方がちょうどいいと思います。

4. 直射日光や強い照明の近くに置かない

革は、光によっても少しずつ色が変化します。


使いながら自然に色が深くなっていく経年変化は、革の楽しみのひとつです。


ただし、直射日光や強い照明が長時間当たり続けると、色が抜けたり、部分的に変色したりすることがあります。


例えば窓際に置いたままにしていると、光が当たっていた片側だけ色が変わってしまうことも。


また、熱によって革の水分や油分が失われると、乾燥やひび割れにつながる場合もあります。


長時間使わないときは、直射日光が当たらず、温度変化の少ない場所に置いておくと安心です。

5. クリームを塗りすぎない

革製品を購入すると、

「最初にクリームを塗ったほうがいいですか?」

と聞かれることがあります。


大切に使いたいからこそ、お手入れをしたくなる気持ちはよく分かります。


ただ、新しい革には十分な油分が含まれていることも多く、購入してすぐにクリームを塗る必要がない場合もあります。


むしろ頻繁に塗りすぎると、色が必要以上に濃くなったり、表面がべたついたり、革がやわらかくなりすぎたりすることがあります。


普段のお手入れは、乾いたやわらかい布でほこりを軽く落とすくらいで十分です。


長く使って表面が少し乾燥してきたと感じたときに、革用クリームを少量、薄くなじませてあげてください。

神経質になりすぎず、たくさん使ってほしい

ここまでいくつかご紹介しましたが、決して難しいことではありません。


水や湿気、強い光を避ける。


汚れがついても、慌てて強く擦らない。


必要以上にクリームを塗らない。


まずは、このくらいを覚えておけば大丈夫です。


革は、新品のきれいな状態をずっと守り続けるためだけの素材ではないと思っています。

ペンケースなら、お気に入りのペンを入れて毎日持ち歩く。


手帳なら、何度も開いて、触って、予定を書き込む。


バッグなら、一緒にいろいろな場所へ出かける。


そうやって毎日の中で使っていくうちに、少しずつ色が深くなり、艶が出て、小さな傷もなじんでいきます。


だからこそ、傷や汚れを気にしすぎて、しまったままにするのではなく、たくさん触れて、たくさん使ってほしいです。


してはいけないことに少しだけ気をつけながら、あとは革が変わっていく様子を楽しむ。


何年か経ったあと、ふと手元の革製品を眺めたとき。


新品だった頃とはずいぶん違う色や艶になっていて、細かな傷も増えている。


でも、そのひとつひとつに、使ってきた時間が残っている。


そんな革を眺めながら、

「自分らしく育ったな」

と思っていただけたら嬉しいです。