これをやったらダメ!
万年筆の寿命を縮める
NG行為5選
このブログでは「万年筆を長く、大切に使いたい」という方に向けて、“やってはいけない万年筆の使い方”を5つご紹介します。
どれも意外とやってしまいがちなことばかりですが、万年筆にとってはダメージが大きい行為ばかり。
ひとつでも「やっちゃってたかも…」と思った方は、ぜひ今日から見直してみてくださいね。
①
筆圧をかけすぎる

これは、結構多いNG行動です。
万年筆って、ボールペンや鉛筆とはまったく違う筆記具で、
「グッと押しつけて書く」のではなく、
“筆圧をかけずにペン先を紙の上にそっと乗せて、滑らせるように書く”のが正しい使い方。
ボールペンやローラーボールと違って、万年筆のペン先はとてもデリケート。
どんなに頑丈な万年筆でも、筆圧が強すぎるとペン先が開いてしまったり、変形してしまう危険性があります。
それだけでなく、無理な力が加わるとペン芯とのバランスが崩れ、インクの流れが悪くなることも。
そして、ひとたびペン先が変形してしまうと、修理やペン先交換が必要になってしまいます。
そうなるとコストもかかるし、何よりお気に入りの書き味が損なわれてしまうのが悲しいですよね。
万年筆は
「軽く持って、やさしく書く」が基本。
力を抜いて、筆に墨を含ませて書くようなイメージで使ってみてください。
それだけで、ぐっと万年筆との付き合い方が変わってきますよ。
②
ペン先の向きが間違っている

※これはNGな持ち方
意外と知られていないのがこれ。
万年筆は、ペン先の「ハート穴」が上を向くように持つのが基本です。
たまに、横向きにしたり、逆に持ってしまっている方がいますが、それではインクがうまく出てこなかったり、摩耗や破損の原因になります。
正直に言うと、僕も最初は間違えてました(笑)
ペンの持ち方を変えただけで、インクの出が劇的に良くなったので、心当たりのある方はぜひチェックしてみてください。
③
キャップを閉めずに放置する

これも、意外と多いNG行動です。
書きかけでちょっと席を立って...
そのままキャップを閉め忘れたまま数時間…って、やりがちですよね。
恥ずかしながら、僕も一度やってしまったことがあります。
万年筆のインクは空気に触れるとすぐに乾いてしまうんです。
以前、30分ほどキャップを閉めずに放置してしまっただけで、もうインクが出なくなってしまったことがありました。
せっかく良いペンを使っていても、インクがカピカピに乾いてしまったら書けなくなりますし、無理に書こうとしてペン先を痛める原因にもなります。
また、キャップを開けたまま机の上に置いていて、うっかり落としてしまった…なんてことがあれば、ペン先が傷つくリスクもあります。
書き終わったら、
キャップをしっかり・すぐに閉める。
このちょっとした習慣が、万年筆を長く使うためには本当に大切です。
ほんの数秒の手間ですが、それだけでペンにかかる負担はぐっと減りますよ。
④
洗浄しない
これは意外と見落とされがちですが、万年筆を使い続けるうえでとても大切なポイントです。
インクを何度も入れ替えて使っていると、内部に古いインクが残って詰まってしまったり、前の色と混ざって濁ったりしてしまうことがあります。
理想的なのは、「1ヶ月に1回」程度の水洗い。
……とはいえ、正直めんどくさいですよね(笑)
でも、最低限やってほしいのは、違う種類のインクに変える時。
色や成分が違うインクを混ぜてしまうと、変質したり、固まったりすることがあるんです。
洗い方は意外とシンプルです。
吸入式なら、水を吸って→出してを何回か繰り返すだけ。
カートリッジ式なら、コンバーターに付け替えて水を通せばOKです。
「長く愛用するためのケア」として、ぜひ習慣にしてあげてください。
万年筆の洗い方はこちら。
⑤
アルコールで軸を拭く

これはやってはいけない最たる例です。
「汚れたから除菌シートで…」と拭いてしまう方がいるんですが、これが危険!
アルコールは、プラスチック・漆・エボナイトなどの素材を傷めてしまいます。
特に高級万年筆ほど繊細な素材が使われているので、白く濁ったり、表面が変質してしまうことがあります。
どうしても拭きたい場合は、水で軽く濡らした柔らかい布で優しく拭いてあげるのがおすすめです。
基本は「乾拭き」で充分です。
まとめ
いかがでしたか?
今回ご紹介した5つのNG行為は、どれも知らず知らずのうちにやってしまいがちなものばかりですが、万年筆にとっては大きなダメージにつながることもあります。
① 筆圧をかけすぎない
② ペン先の正しい向きで使う
③ キャップはこまめに閉める
④ 定期的に洗浄する
⑤ アルコールでは絶対に拭かない
この5つさえ気をつければ、万年筆の書き心地はずっと安定しますし、長く、大切に使い続けることができます。
万年筆はただの筆記具ではなく、自分だけの“書く相棒”のような存在です。
だからこそ、ちょっとした気遣いやお手入れで、その時間がもっと楽しく、もっと心地よいものになります。
これからも、“万年筆ライフ”を楽しんでいきましょうね!