
台湾発・Laban万年筆の魅力
真鍮が育てる“書くよろこび”
インスタのタイムラインにふと流れてきた、ひときわ目を引く一本の万年筆。
どこかアンティークな雰囲気をまとったその姿に、思わずスクロールの手が止まりました。
「真鍮製」という言葉に弱い僕にとっては、もうドンピシャの出会い。
艶を抑えた渋いゴールドと、重厚感のある佇まい。そして、クラシックで上品なストライプのデザイン…。
まさに“見た目ストライク”。
そこからというもの、頭の片隅でずっとその万年筆のことが離れず、
数日間の葛藤を経て、ついに「これはもう運命だ」と思い切ってお迎えしました。
この記事では、そんな出会いから始まった「Laban(ラバン)」という台湾ブランドの真鍮万年筆について、実際に使ってみた感想や魅力をたっぷりとお届けします。
ー Labanとは? ー
歴史と哲学を持つ台湾ブランド
LABAN(ラバン)は1981年、台湾北東部の猴硐(ホウトン)で誕生した筆記具ブランドです。
創業当初からOEMで高品質な筆記具を製造してきた実績があり、1993年に初の自社ブランドの万年筆を発表。
その後も進化を続け、1997年にはバチカン美術館とのパートナーシップを結び、2009年にはローマ教皇ベネディクト16世にも筆記具が使用されるなど、国際的にも高く評価されています。
Labanの万年筆には、「書く道具」である以上の価値があります。
美術工芸品のようなデザイン、誠実で丁寧なものづくり、そして使う人との時間の中で深まっていく「愛着」。
単なるブランドではなく、時間をかけて育てていく“相棒”としての魅力がLabanにはあります。
ー 代表的モデルたちとその個性 ー
■ Laban 325シリーズ

Labanの代名詞とも言える325シリーズは、大理石のような樹脂軸と乳白色パーツのコンビネーションが魅力。
深みのある色彩が特徴で、自然や都市の情景をイメージしたモデルが多く揃っています。大型のボディは見た目の迫力だけでなく、手にしたときのバランスも絶妙。
ペン先にはドイツ・JOOWO社製のステンレスニブを採用。
滑らかな書き心地と適度な弾力を兼ね備えており、しっかりとした書き味を好む人にぴったりです。
■ Laban アンティークⅡシリーズ

Labanが長年培ってきた金属加工技術を活かした傑作が「アンティークⅡ」。
「古典的なものこそ現代的」という哲学のもと、真鍮素材にアンティーク加工を施し、クラシックな雰囲気とモダンさを融合させたモデルです。
真鍮ならではのずっしりとした重量感が心地よく、筆記中の安定感は抜群。
さらに、使い込むほどに酸化して表情を変えていくブラス素材は、経年変化を楽しみたい方にとってたまらない一本です。
デザインだけでなく、手に取るたびに「これが自分の万年筆だ」と実感できる所有感が魅力です。
そして今回、お迎えしたのがこちら

Laban アンティークⅡシリーズ「GREEN」
なぜこの一本にしたのかというと、もう決め手はあの美しい“緑のストライプ”。
深みのあるグリーンに、ブラスのアンティーク加工が重なったこの色味。
それが縦にすっと入ったストライプ模様によって、クラシックなのにどこか軽やかさも感じさせる。
「落ち着いてるのに、ちょっと華がある」
そんな絶妙なバランスに惹かれて、このGREENを迎えました。
ここからは、この万年筆の魅力をじっくり掘り下げていきます。
まずは開封の儀から。
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開封の儀

まずは、外箱。
深いブルーにゴールドの箔押しで「Laban」のロゴと、“REFILL YOUR SOUL BY WRITING”という詩的な一文。
日本語で「書くことで魂を満たそう」
万年筆好きなら、この言葉だけで心がくすぐられるはず。
箱の下部には、万年筆のペン先をモチーフにしたラインが繊細に並び、しっかりと“Labanの世界観”に浸らせてくれます。
そして、箱を開けると...

う、うつくしい!!
箱を開けると現れるのがオレンジのリボンに優しく包まれた、グリーンの美しい軸。
まるで宝石箱のような演出に、気持ちが高まらないわけがありません。
手に取ると、ずっしりとした真鍮の重み。
ツヤを抑えた落ち着いたグリーンに、ゴールドのストライプが映えます。
まるでクラシックカーのような、品のあるデザインです。
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クラシカルなデザイン

ヴィンテージ感と品格が同居する
美しい佇まい
LabanアンティークⅡ「GREEN」の魅力は、なんといってもこの唯一無二のデザイン。
まず目を引くのが、マットなグリーンに施された細身のゴールドストライプ。
見る角度によって光を拾い、さりげなくきらめくこのストライプは、派手すぎないのにしっかり個性があります。
クラシックなデザインが好きな人にとっては、たまらない仕上がりです。
そして、各所に使われた真鍮パーツのアンティーク加工が素晴らしい。
真鍮は使い続けるうちに表面の色合いが変化し、持ち主だけの風合いになっていきます。
これは革製品や木製品と同じような感覚で、文具というより「使うアート」と言える存在です。

キャップリング、クリップ、ペン先周りまで、すべてが程よくくすんだゴールド。
ピカピカに磨かれていないことで、どこか落ち着いた印象を持ちつつ、「使い込むほど味が出る」未来を感じさせてくれます。

キャップリングには筆記体で刻まれたLabanのロゴ。
この控えめなサインも、全体の雰囲気を壊さず、上品にブランドの存在感を伝えてきます。
全体的なシルエットはほどよく太めで、指にフィットしやすいラウンド形状。
キャップトップの立体感や、クリップの重厚なデザインも細部まで抜かりがなく、「ただの筆記具」ではなくアクセサリーとしても成立する美しさを感じさせます。

天冠の部分にも、Labanのこだわりがしっかりと詰まっています。
コロンと丸みを帯びた形状は、指先にやさしくフィットする立体的なフォルム。
真鍮素材にアンティーク加工が施されているため、光を受けてもギラつかず、マットで落ち着いた輝きを放っています。
滑らかな曲線、細部にかけての丁寧な磨き…まるで、古い鍵や懐中時計のパーツを手にしたような手触り。
まさに「使うほど味が出る」パーツだと思います。
クリップの取り付け部分との一体感も美しく、パーツごとに浮いて見えないのが秀逸です。
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ニブもクラシカル

ペンの“顔”とも言えるペン先――ニブ。
LabanアンティークⅡ「GREEN」は、クラシックなボディにふさわしい、美しく仕上げられたニブを備えています。
僕が選んだのは文字幅F(細字)。
手帳やノートへの筆記にも適している字幅です。

素材はスチールベースにゴールドプレート(メッキ)仕上げ。
ペン先にはLabanのロゴと、オリーブ?を思わせる繊細な装飾が刻まれていて、ペンを傾けたときに見えるその模様が実に美しい。
スチールニブ=廉価という印象を持たれる方もいるかもしれませんが、ドイツ・JOOWO社製のニブは信頼性が高く、長く使ってもへたりにくい。
その上、ゴールドプレートによる高級感も備えています。
4
正直なところ書き心地は「硬め」
でも、それがいい

実際にこの万年筆で文字を書いてみて、最初に思ったのは
「あ、思ったよりも硬いな」という感覚でした。
ペン先にしなりはほとんどなく、筆圧に対してしっかりとした抵抗を返してくる感じ。
ふわっと柔らかいタッチを期待していた人には、ちょっと意外に感じるかもしれません。
でも、これが決して“悪い意味”ではなくて。
むしろこの硬さがあるからこそ、細かい文字が安定して書けるし、筆記中にペン先が暴れない。
スチールベースの特徴が素直に出ていて、クセのない、まじめな書き味です。
スルスル~というよりは「ススッ、カリッ」といった感じの書き心地。
それが、このアンティークな佇まいとも妙にマッチしていて、ペンそのものの“意志”のようなものを感じました。
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他ブランドと比べたときの
Labanの魅力

例えば、PelikanやMontblancは長い歴史と伝統を重んじるブランドですが、その分フォーマルで格式高い印象を受けます。
一方で、Labanはより自由でアーティスティック。
使う人の個性や感性を尊重してくれるような空気があります。
LAMYのようなモダンデザインとも違い、Labanはクラシックとモダンを融合させた「唯一無二」の立ち位置にいます。
カラーバリエーションも豊富で、女性にも人気の高い明るい色や、趣味性の高いレトロ調デザインまで。
ついつい集めたくなっちゃいそうです(笑)
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Labanをおすすめしたい人
Labanの万年筆は、こんな方にぜひ使ってほしいブランドです。
・万年筆初心者だけど、最初から「ときめく一本」を持ちたい人
・真鍮やレジンなど、素材の経年変化を楽しみたい人
・人とちょっと違う“自分らしい”万年筆を使いたい人
また、Labanはギフトにも最適。
限定感のある特別な1本も多く、プレゼントとしての華やかさや話題性も抜群です。
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まとめ

書く道具を、人生の相棒に
Labanの万年筆は、持った瞬間から心を動かし、書くたびに愛着が深まる存在です。
華美すぎないのに印象的。クラシカルなのにどこか新しい。
そんな絶妙なバランスが、Labanというブランドの魅力を物語っています。
あなたのデスクの上に、ペンケースの中に、このLabanの万年筆があると一気にクラシカルな雰囲気に。
書くたびに少し気分が上がって、日常のひとコマがちょっとだけ特別になる。
そんな体験を、ぜひ味わってみてくださいね。
Laban公式サイト:https://laban.com/