天然木×プラチナコーティングが

織りなす大人の逸品

グラフ・フォン・ファーバーカステル

「クラシック マカサウッド」

ある日、文具系のYouTubeチャンネルを何気なく見ていた時のこと。


画面に映った一本の万年筆に、思わず目を奪われました。



それが、グラフ・フォン・ファーバーカステルの「クラシック マカサウッド」


クラシックで洗練されたデザイン、天然木の温もりと、プラチナコーティングの静かな輝き。


見た瞬間、「あ、これだ」と直感的に感じたのを、今でもよく覚えています。



一見控えめなのに、よく見ると細部まで美しく、圧倒的な品格がある。


まさに“大人の筆記具”という言葉がふさわしい、そんな佇まいに惹かれて、気づけば購入ボタンを押していました。



このブログでは、そんなクラシック マカサウッド万年筆の魅力を、実際の使用感や美しさとともにご紹介していきます。

グラフ・フォン・ファーバーカステルとは?

グラフ・フォン・ファーバーカステル(Graf von Faber-Castell)は、1761年にドイツで創業された老舗筆記具メーカー「ファーバーカステル社」の最上級ラインとして展開されているブランドです。



その名にある「グラフ(Graf)」とはドイツ語で「伯爵」の意味。


実際にこのブランドは、ファーバーカステル伯爵家によって監修されており、単なる「高級ライン」という枠を超えた、クラフツマンシップと美意識が結晶したコレクションです。



他ブランドとは一線を画す存在。


万年筆ブランドというと、モンブランやペリカン、パイロットなどが有名ですが、グラフ・フォン・ファーバーカステルはまた違った「静かな気品」を感じます。



・天然素材(マカサウッド、グラナディラ、エボニーなど)を贅沢に使用


・削り出しのメタルパーツや、ギロシェ彫りといった職人技の結晶


・シリアルナンバーが刻まれた限定モデルも多く、コレクターの間でも高い評価を受けています。



筆記具でありながら、まるでジュエリーや高級時計のような存在感。


使う人に“選ばれる喜び”と“持つ喜び”を与えてくれる数少ないブランドのひとつです。

開封の儀

この瞬間は心が高鳴りますよね


手にしたのは、グラフ・フォン・ファーバーカステルのロゴが刻まれた上質な外箱。


シンプルながら、そこにあるだけで「特別なものが入っている」と確信させてくれる佇まいです。



まずは、上品な生成り色の外箱。

しっかりとした厚みがあり、滑らかな手触り。


そこから現れるのが...

木製の内箱。

焦らしてきます(笑)


まるで高級時計や宝飾品のような雰囲気で、「これはただの文具ではない」と思わされます。


そして、いよいよ箱を開ける瞬間。

ふわりと現れる、深いブラウンのクラシック マカサウッド。


アイボリーの内張りに丁寧に包まれ、静かに鎮座するその姿は、まるで美術館に展示された工芸品のようでした。



その瞬間、思わず「うわ、かっこいい……」と声が漏れたほど。


写真で何度も見ていたはずなのに、実物は想像の数倍、美しく、存在感がありました。



ただの開封で終わらない。


この“所作”の一つひとつが、上質な体験として心に刻まれていく。


それこそが、グラフ・フォン・ファーバーカステルが「品がある」と語られる理由なのかもしれません。



この特別な体験も含めての価格は¥108,900。


万年筆としては決して安くはありませんが、手にした瞬間から「それだけの価値がある」と実感できる1本でした。

デザイン

静かなる品格と美しさ

クラシック マカサウッドを初めて手にした瞬間、まず感じたのは


「かっこよさ」と「気品」の絶妙な共存でした。



どこまでもクラシックでありながら、現代的な美しさも感じさせる。

そんな不思議な魅力があります。


軸に使用されているのは、高級木材マカサウッド。

深みのあるダークブラウンの中に、黒の縞模様が縦にすっと流れ込む姿は、まさに自然が創り出した芸術品。


手に触れると、わずかに浮き出た木目が指先をやさしく刺激し、視覚と触覚の両方で楽しませてくれます。

この温もりある天然木を、プラチナコーティングの金属パーツが美しく引き締めます。


キャップからクリップ、尻軸まで一貫した輝きは、単なる装飾ではなく、洗練された涼感と品格を添えるディテール。


“派手さ”ではなく、“静かな美しさ”を追求したデザインです。

なかでも印象的なのが、キャップ天冠に刻まれたグラフ・フォン・ファーバーカステルのロゴ


主張しすぎず、それでいて確かな存在感を放つこの意匠が、クラシック マカサウッドの美しさと気品を静かに物語っています。

書き心地

軽やかで滑らか

今回選んだペン先はF(細字)


細かい文字もつぶれにくく、ノートや手帳にも使いやすい万能なサイズです。



実際に書いてみると、その滑らかさに驚かされました。


紙の上をスッと走る感覚はまるで氷の上をすべるようで、まったくひっかかりがありません。



筆記感は、とても軽やか


見た目の重厚感とは裏腹に、力を入れなくても自然とインクが流れ出て、手の動きにスッとついてくる感覚があります。



それでいて線の輪郭ははっきりとしていて、Fニブらしい繊細さもきちんと感じられます。


バランスがよく、軸の重みが適度にペン先を導いてくれるため、むしろ筆記が安定する印象です。

他ブランドと比べたときの魅力

万年筆の世界には多くの名品がありますが、グラフ・フォン・ファーバーカステルの魅力は、何よりその静かな気品と美しさにあります。


モンブランの威厳、ペリカンの柔らかさ、パイロットの精密さ。(勝手な偏見かもしれません)



それぞれに個性がありますが、グラフ・フォン・ファーバーカステルは語らずとも伝わる佇まいと、素材美を極めたデザインが特徴です。


天然木軸とプラチナコーティングの組み合わせは、他ではあまり見られない独自の存在感。



重厚でありながら書き心地は軽やかで、まさに「工芸品と実用品の間」にある一本のような感じです。


目立ちすぎず、それでいて確かな存在感を放つ。


そんな万年筆を探している方に、クラシック マカサウッドはぴったりの選択肢です。

気になったところ

使っていて一つだけ気になったのが、プラチナコーティングの部分に手の跡(手垢)がつきやすいということ。


特にキャップやグリップ部分は、光を反射する美しい仕上げだけに、指紋や油分が目立ちやすく感じます。



もちろんこれは「仕上げが美しいからこそ」見えるもので、使用に支障が出るわけではありません。


むしろ、気づいた時にさっとクロスで拭いてあげることで、愛着を持って手入れする楽しさが生まれるようにも思います。


気になる方は、柔らかいクロスを一本と一緒に用意しておくと安心かもしれません。

こんな人におすすめ

クラシック マカサウッドは、ただ「書くための道具」ではありません。


その佇まい、手触り、そして筆記体験すべてにおいて、所有する喜びを味わわせてくれる1本です。


こんな方に特におすすめしたい万年筆です。


・派手さよりも、品の良さを求める方


・素材の温もりや経年変化を楽しみたい方


・万年筆に「工芸品としての美しさ」も求める方


・人と被らない一本を探している方


モンブランのような華やかさとは少し違い、静かに美しく、自分にだけ分かる特別感を大切にしたい人には、きっとこのクラシック マカサウッドがしっくりくるはずです。

まとめ

グラフ・フォン・ファーバーカステル「クラシック マカサウッド」は、
一見すると控えめな万年筆かもしれません。


けれど、手に取り、使い込むほどにその静かな美しさと本質的な上質さがじわじわと心に染みてきます。



深いブラウンの木軸、プラチナの涼やかな光沢、そして軽やかな書き心地。


どれもが絶妙に調和し、使うたびに「良いものを持っている」と感じさせてくれる、そんな一本です。



108,900円という価格は決して安くはありませんが、
見た目だけでなく、書くという行為そのものの質を引き上げてくれる存在だと考えれば、納得の価値があります。



ただ書くだけじゃない。


「使う時間が、少しだけ豊かになる」


そんな体験を求めている人にこそ、この万年筆をおすすめしたいと思います。