
角度で線の太さが変わる
セーラー万年筆
「長刀研ぎシルバートリム MF」
万年筆にハマると、最初は「書ければ十分」と思っていたのが、次第に「他とは違う個性的な万年筆が欲しい」という気持ちに変わってきた清水です。
ペンを立てれば細く、寝かせれば太くなる。
という不思議な万年筆があるということで、
「書く角度で線の太さが変わる」と噂のセーラー万年筆 長刀研ぎシルバートリム MFをお迎えしました!
今回は、この一本の魅力をデザイン、スペック、書き心地、そしておすすめの使い方まで、じっくりご紹介します。
万年筆コレクションの次の一本を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。
1
セーラー万年筆とは
日本語のために進化し続けるメーカー

セーラー万年筆は1911年に広島で創業した、日本を代表する老舗万年筆メーカーです。
創業者の佐藤安之助氏が海外から万年筆を持ち帰ったことをきっかけに、国産万年筆の製造が始まりました。
セーラーの特徴は、「日本語を書くための万年筆」というコンセプト。
アルファベットとは異なり、日本語は細かい筆画や線の抑揚が求められるため、繊細で精密なペン先設計が必要です。

代表的な個性派モデルとしては、今回ご紹介する「長刀研ぎ」や、独特の角度がついた「ふでDEまんねん」があります。
一方で、プロフィットスタンダードやプロギアスリムなどのベーシックラインも、長年愛され続けています。
・長刀研ぎ

・ふでDEまんねん

セーラーの書き味を一言で表すなら“サリサリ感”。
これは紙とペン先が軽く触れ合うときの微細な抵抗感で、日本語を書くときに心地よいリズムを生みます。
細かく書けて、それでいてスムーズ。
長刀研ぎも、このセーラーらしい書き味の延長線上にあります。
2
開封していく!!

黒を基調としたマットな質感のスリーブ箱に、さりげなく浮かぶ「SAILOR」のロゴ。
光の加減で生まれる陰影が高級感を引き立て、中に眠る特別な一本への期待を高めます。
この手触りだけで、「これから特別な一本に出会える」という高揚感が高まります。
箱をスライドさせて、ようやくご対面!!

ブラックの軸にシルバーのパーツが映え、クラシックでありながら現代的な雰囲気も漂います。
付属品も充実しています。
・カートリッジインク
・吸入式派に嬉しいコンバーター
・専用クリーニングクロス
・ニブ解説書と使用説明書
・海外の文具誌での受賞歴を伝えるリーフレット
・「1本の万年筆が3㎡の森を守る」森林保全活動の認定証
・品質保証書
セーラーが単に筆記具を売るだけでなく、「使う人に寄り添い、環境にも配慮する姿勢」が伝わってきます。
3
スペック
手に収まる絶妙なサイズ感

・ 全長(キャップ閉): 約141mm
・ 全長(キャップポスト時): 約154mm
・ 胴軸径: 約13mm
・ 重量: 約24g.
実際に握るとこんな感じ

軽すぎず、重すぎず、まさに日常使いにちょうど良いバランス。
太軸派にはややスリムに感じるかもしれませんが、この細身が持ちやすさにつながっています。
長時間の筆記でも疲れにくく、手帳やノートとの相性も抜群です。
4
デザイン
クラシックとモダンの融合

この「長刀研ぎシルバートリム」は、一見すると非常にクラシックな黒軸の万年筆ですが、細部に宿るこだわりが際立ちます。
まず目に入るのは、深みのあるブラックの樹脂軸。
光を受けると、艶やかで透明感のある輝きが浮かび上がり、書き始める前から、高級筆記具を手にした満足感がじわっと広がります。
キャップの中央に配されたリングは、このモデルの象徴的な存在。

ニッケルクロムメッキの上にブラックIP仕上げが施され、両端のローレット加工が光を繊細に反射します。
リング中央には「SAILOR SPECIAL NIB」の刻印が堂々と刻まれ、これが通常モデルとは一線を画す特別仕様であることを静かに、しかし確実に主張しています。
光の角度によって、刻印の陰影が浮かび上がり、見ているだけでも所有欲を刺激されますよね。

クリップはシンプルかつ実用的な形状で、ポケットや手帳カバーにしっかりと収まります。
滑らかな面取りが施されており、金属部分のエッジ感がなく、出し入れの際に布地を傷めにくいのも好印象です。
ニブは21金

そして何より、このモデルの顔ともいえるのがペン先。
21金のニブにはロジウム仕上げが施され、プラチナのような清潔感ある白い輝きが特徴。
このロジウムコーティングのおかげで、耐食性や耐摩耗性にも優れ、長年使っても変色や劣化を最小限に抑えることができます。
セーラーの錨マークとともに、21Kの刻印が上品に配置され、眺めるたびに「特別な一本を手にしている」という満足感を与えてくれます。
最大の特徴が、このペンポイント

このペンの最大の特徴である長刀研ぎ。
横から見ると、ペンポイントが通常より大きく、その先端がまるで日本刀の刃のようになだらかに研ぎ出されているのが分かります。
この独特な形状は、限られた職人だけが仕上げられる高度な技術の結晶。
ペンを立てれば細く、寝かせれば太く、角度によって線幅が自在に変化する設計です。
これにより、日本語の「とめ・はね・はらい」が美しく表現でき、文字に自然な抑揚を与えることができます。
5
書き心地
正直に言うと、書き始めの最初の5分ほどは少し戸惑いました。
立てたり寝かせたりと角度を変えるたびに、線の幅が変わるこの長刀研ぎの特性を、まだ手がうまく理解できていなかったからです。
最初は「細く書こうとしたのに太くなった」「太く書きたいのに思ったより細い」なんてこともありました。
ところが、不思議なもので数分書き続けているうちに、自然と手が感覚を覚えてきて、「あ、これだ」という瞬間が訪れてからは、この書き心地の魔力に沼ります笑

今回選んだのは中細(MF)。
ペンを立てると細く、寝かせると太く——この書き分けが面白く、しかも立てても寝かせても同じ“サリサリ感”が維持されるのが感動的です。
日本語を書くと、細い線から太い線への移行が非常に滑らかで、「とめ・はね・はらい」が美しく決まります。

文字をやや大きめに書けばインクの濃淡がしっかり出て、表情豊かな仕上がりに。
日記や手紙など、気持ちをのせる筆記にぴったりですし、手帳に細かく書くときは立てて書けば細字でびしっと収まります。
気づけば書くこと自体が楽しくなり、時間を忘れて没頭してしまう。
そんな魔力を持った一本です。
6
こんな人におすすめ

①漢字を美しく書きたい人
長刀研ぎは角度によって線幅が変わり、「とめ・はね・はらい」が自然に決まります。
楷書や行書を丁寧に書く方にぴったりです。
②書くことを楽しみたい人
ペンの角度を変えるだけで表情が変化し、日記や手紙、ちょっとしたメモも特別な時間になります。
最初は少しクセを感じますが、使うほどに手に馴染み、気づけば「この万年筆を使いたくて」書く理由を探してしまう。
書くことより、使うことが目的になってしまう——そんな不思議な魅力があります。
③コレクションに個性を加えたい人
最初は少しクセを感じますが、使うほどに手に馴染み、その独特な書き味が愛おしくなります。
長刀研ぎは、時間とともに魅力が増す“育つ一本”です。
まとめ
セーラー万年筆「長刀研ぎシルバートリム」は、デザイン、書き味、そしてニブの奥深さまで、すべてが「書く時間を楽しむため」に作られています。
ただの筆記具ではなく、時間を忘れて没頭できる趣味の筆記具。
「次の一本」を探している方には、ぜひ手に取ってほしいモデルです。
書くたびに新しい発見があり、使うほどに愛着が深まっていく。
そんな“長く付き合える相棒”になってくれる一本です。