溶岩からできた万年筆?!
ビスコンティ ホモサピエンス
ずっと憧れていた万年筆を、ついに迎えました。
ビスコンティ ホモサピエンス ダークエイジ 太字です。
&Liebeのペンケースを使ってくださっているお客様の中には、時々とんでもなく格好いい万年筆を入れてくださっている方がいます。
その中で、何度か目にしてずっと心に引っかかっていたのが、このビスコンティ ホモサピエンスでした。
「なんだこの存在感は……」
写真越しでも伝わってくる、ただものではない雰囲気。
黒くて、無骨で、でもどこか上品。
華やかというより、静かに圧を放っているような万年筆です。
そして知れば知るほど惹かれたのが、玄武岩を配合した軸素材。
玄武岩とは、マグマが地表付近で急速に冷えて固まった黒〜灰色の火山岩のこと。
つまり、ざっくり言えば溶岩由来の素材を使った万年筆です。

もう、この時点でロマンがありますよね(笑)
僕はこういう、単に高級というだけではなく、背景に物語があるものにどうしても惹かれてしまいます。
そして今回、ついにその憧れの一本を迎えることになりました。
ビスコンティとは
ビスコンティは、イタリア・フィレンツェ生まれの筆記具ブランドです。
比較的新しいメーカーでありながら、独創的なデザインや機構で世界中の万年筆好きから高い支持を集めています。
伝統を大切にしながらも、どこか挑戦的。
クラシックなだけでは終わらない遊び心や、イタリアらしい色気のあるデザインは、国産万年筆とはまた違った魅力があります。

その中でもホモサピエンスは、ビスコンティを代表するフラッグシップモデル。
名前からしてすごいですよね。ホモサピエンス。
人類、進化、文明、そういった壮大なテーマを感じさせるネーミングも、この万年筆の特別感をさらに強めています。
この万年筆との出会い
最初のきっかけは、先ほども書いた通り、&Liebeのお客様が使ってくださっていた写真です。
自分たちの作ったペンケースに収まっている姿を見て、
「こんな格好いい万年筆があるのか」と気になり始めました。
その後、東京へ行ったときに実物を試筆させていただく機会がありました。

実際に手に取って、眺めて、キャップを開けて、書いてみる。
その瞬間に、写真で見ていた時の憧れが、欲しいという確信に変わった気がします。
「いつか迎えたいな」
その“いつか”が、今回やってきました。
開封の儀
箱を開ける前から、すでに空気が違います。
VISCONTIのロゴが入った箱はシンプルですが、余計な装飾がない分、かえって期待感を高めてくれます。
蓋を開けると、黒い内装の中に収まるホモサピエンス ダークエイジ。
この瞬間はやっぱりたまりません。
「ついに来たか……」という高揚感があります。
新品の万年筆を迎える時間って、単なる買い物ではなくて、
ひとつの道具との出会いの儀式みたいなものだなといつも思います。
人類の歴史をテーマにした万年筆
ビスコンティのホモサピエンスは、
人類が「書く」という行為によって築いてきた文明の歴史をテーマにした万年筆です。
ホモサピエンスという名前の通り、
このペンには「人類」「文化」「文明」という壮大なコンセプトが込められています。
その思想を具現化するために、この万年筆にはいくつものユニークな試みが採用されています。
まずボディ素材。
ここには、地球誕生と同じくらい長い歴史を持つ溶岩(玄武岩)が使われています。
溶岩素材は非常に硬く耐久性に優れており、
ビスコンティ独自の技術によって万年筆のボディとして成形することが可能になりました。
さらに金属パーツには、鉄文化をモチーフにした金属素材が採用されています。
文明の象徴である金属と、
地球の歴史を象徴する溶岩。
この2つを組み合わせることで、
ホモサピエンスというコンセプトを表現しているわけです。
実際に手に取ってみると、
単なる高級万年筆というより、
文明の物語を宿した道具のような雰囲気があります。
そしてその万年筆で「書く」という行為そのものが、
また新しい文化を積み重ねていく。
そんな思想まで感じさせる一本です。
デザイン
見た目が圧倒的にかっこいい
この万年筆に惹かれた最大の理由は、やはり見た目です。
ダークエイジの名の通り、全体はマットな黒。
艶を抑えた質感がとにかく渋い。
派手さはないのに、目を離せない存在感があります。
そして最大の特徴が、玄武岩(溶岩)を配合した独特のボディ
触ってみると、一般的な樹脂軸とも金属軸とも違う、不思議な質感です。
少しざらっとしていて、石を思わせる手触り。
ひんやりしすぎず、でも無機質すぎない。
まさに“溶岩”という言葉が似合う素材感です。
さらに、ビスコンティ特有のクリップや、キャップ周りのデザインもいい。
無骨なボディに対して、金属パーツの造形にはしっかり色気があります。
このバランスが絶妙です。
ただの黒い万年筆では終わらない。
ちゃんと個性があり、ちゃんと記憶に残るデザインです。
▪️ペン先を見ていく
この万年筆、軸の素材や全体の佇まいに惹かれてしまうのですが、
やっぱり万年筆なので、まずはペン先をじっくり見たくなります。
実際に見ると、かなり格好いいです。
黒く無骨なボディに対して、ペン先は繊細で上品。
このコントラストがたまりません。
VISCONTIのロゴや模様も美しく、
ただ書くためのパーツではなく、ちゃんと“見せ場”になっている感じがあります。
しかもこのペン先、ギラギラした派手さではなく、
全体の世界観を壊さない落ち着いた雰囲気なのがいいんですよね。
溶岩を思わせるマットな黒。
少しざらっとした独特の素材感。
そこに、なめらかな光をまとったペン先がすっと伸びている。
この組み合わせに、ホモサピエンスらしい格好よさが詰まっている気がします。
手に取るたびに思うのですが、
この万年筆は「書く道具」でありながら、
同時に「眺めたくなる道具」でもあります。
その理由のひとつが、このペン先の存在なのだと思います。
▪️首軸のデザイン
ペン先のすぐ下にある首軸部分も、よく見るとかなり凝った作りになっています。
有機的な模様のような装飾が施されていて、
まるで古代の遺跡のような雰囲気があります。
この部分は指が触れる場所でもあるので、
見た目だけではなく、グリップの安定感にもつながっています。
ただシンプルな黒い万年筆ではなく、
文明や歴史を感じさせるデザインになっているところが、ホモサピエンスらしいところです。
▪️ビスコンティの象徴「アーチクリップ」
キャップを見ると、まず目に入るのがこのクリップ。
弓のように大きくカーブした形状で、
これはビスコンティの象徴ともいえるデザインです。
見た目のインパクトだけでなく、
バネの効いた構造でポケットやノートにも差し込みやすい。
実用性とデザインが両立しています。
無骨なボディの中に、この曲線があることで、
全体にどこかエレガントさも生まれています。
▪️天冠
キャップの先端には、VISCONTIのロゴが入った天冠があります。
ここは控えめな装飾ですが、万年筆全体を引き締める重要なポイントです。
近くで見ると細かく作り込まれていて、やはり高級万年筆だなと感じさせる部分。
小さなパーツですが、しっかりとした存在感があります。
中央に刻まれたVISCONTIのロゴには、どこか力強さも感じます。
マットな黒のボディに、この金属の天冠が入ることで、全体の印象がぐっと引き締まるんですよね。
こういう細部の仕上げを見ると、
この万年筆が単なる筆記具ではなく、工芸品のような側面も持っていることを実感します。
スペック
ここで、ビスコンティ ホモサピエンスの基本スペックを見ていきましょう。
・インク吸入機構
ダブルタンク パワーフィラー
…
は?
聞き慣れない名前ですよね(笑)
これはビスコンティ独自のインク吸入機構で、
カートリッジやコンバーターではなく、ボトルインクを直接吸い上げる吸入式万年筆です。
内部のピストンを引き上げた状態でペン先をインク瓶に漬け、ピストンを元に戻すことで簡単に一瞬にしてインクを吸入することができる機構です。
また、大容量のタンクによりインクを一般的な万年筆の数倍長持ちさせることができます。
正直、最初は少し戸惑いました。
僕も最初は
「これどうやって吸うんだ…?」
と少し手こずりました。
でも慣れてくると、この機構も含めて
普通の万年筆とは違う楽しさがあるなと感じます。
こういう少しクセのあるところも、ホモサピエンスらしい魅力だと思います
書き心地レビュー
今回迎えた字幅は太字(B)。
これが大正解でした。
まず感じたのは、インクがしっかり出ること。
かなり潤沢です。
国産万年筆の細やかな繊細さとはまた違って、インクをたっぷり使いながら、ぬるっと紙の上を滑っていく感覚があります。
正直、書き味はかなり好みでした。
トップクラスと言っていいくらい気持ちいいです。
太字らしいふくよかさがありつつ、ただ太いだけではなく、ちゃんとコントロールしやすい。
ゆっくり書いても気持ちいいし、少しスピードを上げても筆記が破綻しにくい。
“書いていて楽しい”をしっかり感じられる一本です。
見た目のインパクトに目がいきがちですが、
ちゃんと筆記具としての満足度が高い。
ここはかなり大きな魅力だと思いました。
良かった点
デザインと書き味はかなり好みでした
実際に使ってみて、まず感じたのは
デザインと書き味の満足度の高さです。
溶岩を配合したマットな黒のボディは、やはり唯一無二。
派手ではないのに、机の上に置いてあると自然と目に入ります。
触れたときのざらっとした質感も心地よく、
ただ眺めているだけでも楽しい万年筆です。
そして書き味。
今回迎えたのは太字(B)ですが、
インクフローがとても豊かで、紙の上をぬるっと滑るように書けます。
太字らしいふくよかな線が出るのですが、
コントロールもしやすく、思ったより扱いやすい。
ゆっくり書いても気持ちいいですし、
少しスピードを上げても筆記が安定しています。
見た目のインパクトが強い万年筆ですが、
筆記具としての完成度もしっかり高い。
このあたりは、さすがビスコンティだなと感じました。
気になった点
インクは慣れるまで吸いにくい
一方で、気になる点もあります。
それはインクを吸入するときに少し扱いづらさを感じることです。
一般的なカートリッジ・コンバーター式に慣れていると、最初は少し戸惑うかもしれません。
「さっとインクを替えたい」
「手軽に洗浄したい」
そういう実用性だけで見ると、もっと楽な万年筆はたくさんあります。
つまりホモサピエンスは、
合理性や手軽さだけを求める人向けではないかもしれません。
でも逆に言えば、その少し手のかかる感じも含めて、
この万年筆の魅力だとも思います。
こんな人におすすめ
ビスコンティ ホモサピエンス ダークエイジは、こんな方におすすめです。
まず、万年筆に実用品以上の価値を求める人。
書ければいい、ではなく、持つ喜びや物語性を大事にしたい方にはかなり刺さると思います。
次に、黒くて無骨で、でも上質な一本が欲しい人。
派手な装飾ではなく、静かな迫力が好きな方にはたまらないはずです。
そして、国産万年筆とは違う個性を楽しみたい人。
日本の万年筆とはまた違った感性や味わいがあり、それがこの一本にはしっかり詰まっています。
まとめ
これは“ロマンを持つための万年筆”でした
ビスコンティ ホモサピエンスは、
単なる高級万年筆ではありませんでした。
玄武岩を配合した軸。
ホモサピエンスという壮大な名前。
独特の質感。
インクをたっぷり乗せる書き味。
そして、持っているだけで満たされるような存在感。
実用性だけで見れば、もっと手軽な万年筆はいくらでもあります。
でも、この一本にはそれでは置き換えられない魅力がありました。
溶岩からできた万年筆。
そんな言葉に少しでも心が動く人なら、
きっとこの万年筆の魅力がわかると思います。
僕自身、ずっと憧れていた理由が、実際に迎えてみてよくわかりました。
これはきっと、ただ書くための道具ではなく、
書く時間そのものを特別にしてくれる一本です。
ずっと憧れて、ついに迎えたビスコンティ ホモサピエンス。
これからたくさん使って、じっくり付き合っていきたいと思います。