革は育てるもの

経年変化という贅沢な時間

革製品に触れていると、ふとした瞬間に「これは自分だけのものだ」と感じることがあります。


最初はまだ固くて、どこかよそよそしかった革が、
毎日の中で少しずつ馴染み、色が深まり、艶を増していく。


気づけば、世界にひとつだけの“自分だけの革”に育っているのが革の魅力です。


このブログでは、エイジングの魅力や楽しみ方、色や艶の変化の仕方、そして革を美しく育てるコツをご紹介していきます。

革は“一緒に育つ”

だから、魅力がある

革は、ただの素材ではありません。


使う人と時間を重ねることで、少しずつ表情を変えていく“相棒”のような存在です。


特に&Liebeが使用しているヌメ革は、シワや傷を隠さずそのまま活かした革。


だからこそ、使い込むほどに色艶が深まり、あなただけの表情へと育っていきます。


一緒に過ごした日々が革に刻まれ、その変化が愛着に変わっていく。


それが、革のいちばんの魅力です。

経年変化とは

「革に刻まれるあなたの物語」

革のいちばんの魅力は、自分の色に育ち、そこに“歴史”が刻まれていくことです。


最初は淡く、マットだった革が、手の油や日差し、摩擦によって、少しずつ艶を帯びていく。


色、艶、手触り、厚み……。

同じ革でも、持ち主によって全く違う表情に育っていきます。


「いつまでもピカピカなもの」もあれば、

「渋みを増して深く育つ」ものもある。


このポジティブな変化のことを「エイジング(=経年変化)」と呼びます。


革を通じて、“自分だけの物語”を育てていける。


それこそが、エイジングの一番の魅力です。

&Liebeの革3色

それぞれの育ち方

ここからは、&Liebeで扱っている革の種類ごとに、経年変化の特徴を見ていきましょう。


&Liebeのアイテムで使用しているのは、スムースブラック・ナチュラル・スムースブラウンの3色。


それぞれの色味によって、育ち方やエイジングの表情に違いがあります。


たとえば、深みを増していく色、艶が強く出やすい色、変化がゆっくりな色――同じ革でも、選ぶ色によって育ち方が変わるのです。


愛用期間や革の種類によっても、色や風合いの変化はさまざま。


これからのアイテム選び・色選びの参考に、ぜひご覧ください。

Smooth Black|スムースブラック

静かに深まる、黒の艶

左:新品 | 右:10ヶ月使用

スムースブラックは、使い込むほどに黒が深まり、上品な艶がゆっくりと育っていく革です。


色の変化はほとんどありませんが、そのぶん、艶の出方がとてもきれい


手に触れるたびに光をまとい、自然なツヤ感が増していきます。


ビジネスやフォーマルにも合わせやすく、飽きのこない定番カラー。


長く使うほどに、“黒の美しさ”が引き立っていきます。

Natural|ナチュラル

変化の過程が楽しい、

育てがいのある色

左:新品 | 右:12ヶ月使用

ナチュラルは、革そのものの風合いや表情をもっとも感じられるカラー。


男女問わず、幅広いシーンでお使いいただけます。


使いはじめは明るく素朴な印象ですが、使うほどに深みを増し、少しずつ飴色へと育っていく様子は格別


毎日触れるたびに、温かみやツヤが増していく“変化そのもの”を楽しめるのが、ナチュラルのいちばんの魅力です。


革のエイジングをしっかり味わいたい方に、まずおすすめしたいカラーです。

Smooth Brown|スムースブラウン

艶と深みが育つ、クラシックな風合い

左:新品 | 右:8ヶ月使用

スムースブラウンは、落ち着きとあたたかみを感じる、クラシックなカラー。


使い始めはやや明るめの茶色ですが、使い込むほどに艶が増し、色が少しずつ深く濃く変化していくのが特徴です。


経年変化によって、重厚感と品のある表情へと育っていきます。


革らしい表情の変化を楽しみつつ、落ち着いた印象も大切にしたい方におすすめの一色です。

革を“美しく”

エイジングさせる3つのコツ

① とにかく使う。

毎日触れるのがいちばんのケア

革を美しく育てるいちばんの方法は、毎日使って、たくさん触れること。


触れるたびに、手のひらの油分が自然な潤いとなって革に染み込み、
少しずつ艶が増し、柔らかく、しっとりと育っていきます。


しまい込まずに、毎日手に触れる。
それだけで、革はちゃんと応えてくれるんです。

② 強い日差し・湿気を避ける

直射日光に長時間さらすと色あせの原因になり、湿気の多い場所ではカビが発生することもあります。


使わないときは、直射日光の当たらない風通しの良い室内での保管がおすすめ。


たとえば、窓際を避けた棚の中やクローゼットの扉を少し開けた状態など、湿気がこもらず、空気が動く場所が理想です。


大げさな管理は不要ですが、「人が快適と感じる場所」は革にとっても心地いい環境だと考えると、ちょうどいい目安になります。

③ ケアは“たまに”がちょうどいい

革を大切に思うあまり、

クリームをたっぷり塗ったり、何度もブラッシングしたくなる気持ち、よく分かります。


でも実は、やりすぎは革にとってストレスになることもあるんです。


ケアの基本は、「乾燥が気になったときに、少しだけ」。


1シーズンに1回くらいでOKです。


メンテナンスクリームは少量をやさしく塗り広げるくらいが、ちょうどいいバランスです。


ちなみに、栃木レザーの職人さんにお話を伺ったとき、

「しっかりした革だから、毎日使って触ってあげればメンテナンスなんていらないよ」と、笑顔で教えてくれました。


革にとっていちばんのケアは、“日々一緒に過ごすこと”なのかもしれません。


メンテナンスについてはこちらで解説。

 &Liebeが「育てる革」を選ぶ理由

僕たちが目指しているのは、“買ったときより、使ったあとにもっと好きになる”プロダクトです。


そんな想いをかたちにしてくれるのが、植物タンニンでじっくり鞣された革。


最初はハリのある革が、少しずつ柔らかく、手に馴染んでいく。


その変化の過程そのものが、持ち主にとっての物語になっていく素材です。


一方で、クロム鞣しの革は薬品を使って短時間で大量に加工できるため、価格も抑えやすく、世の中に多く流通しています。


もちろんそれにもメリットはありますが、

僕たちが届けたいのは、「育てる楽しさ」や「使い込むほどに増す愛着」といった、時間とともに価値が深まっていくような体験です。

だから&Liebeでは、栃木レザーやペブルヌメといった、植物タンニンで鞣された革だけを選んでいます。


手にした瞬間からではなく、時間を重ねることでこそ完成していくプロダクトをつくること。


それが、僕たちのものづくりの原点であり、これからも大切にしていきたい信念です。

最後に

革は手にした人の時間とともに、美しく育っていくもの。


使うほどに深まる艶、柔らかくなる手触り、増していく愛着。


気づけばそれは、“なくてはならない存在”になっているかもしれません。


そんなふうに、買ったときより、使ったあとの方がもっと好きになれる革製品を、これからも届けられるよう、精一杯励んで参ります。