
これが“キング”の書き味。
セーラー万年筆
「キングプロフィット」レビュー
今回ご紹介するのは、セーラー万年筆のフラッグシップモデル
「キングプロフィットST」です。
ペン好きなら一度は憧れる存在。
堂々たるフォルムと圧倒的な存在感、そして書き出した瞬間にわかる驚くほどのなめらかさ。
“書くための道具”という枠を超えて、書く喜びそのものを体現した一本。
まさに“キング・オブ・ペン”と呼ぶにふさわしい風格を備えています。
今回はその魅力を、デザイン・スペック・書き心地など、レビューしていきます。
セーラー万年筆というブランド

セーラー万年筆は、1911年に広島で創業した日本を代表する老舗メーカーです。
特徴は、日本語を書くための精密さと、徹底的なペン先へのこだわり。
セーラーといえば「長刀研ぎ」や「ふでDEまんねん」など、職人の手作業で仕上げられる個性派ニブが有名ですが、ベーシックなモデルでも安定した支持を得ています。
特に日本語との相性は抜群で、細かい文字もしっかり書ける一方、サリサリとした独特の書き味を楽しめる。
これがセーラーの魅力であり、多くのファンを惹きつける理由です。
キングプロフィットとは?
数あるセーラーのラインナップの中でも頂点に立つのが、この「キングプロフィット」です。

うん、迫力がある!!
1981年に誕生した「プロフィット」シリーズは、丸みを帯びた王道のシルエットと確かな書き味で、セーラーを代表する存在となりました。
キングプロフィットはその伝統を引き継ぎつつ、さらに“超大型”へと進化した一本です。
特筆すべきは、通常の「プロフィット21」のペン先よりも約1.5倍大きな、超大型21金ニブ。

デカイ!!
仕上げはゴールドとロジウムのバイカラーで、高級感を漂わせながらもシャープで洗練された印象を与えます。

ゴールドと軸の艶が美しい!
眺めるだけで気分が高まる1本です。
基本スペック
キングプロフィットの基本的なスペックはこちらです。

デザインと存在感
手に取った瞬間に感じるのは、サイズ以上の圧倒的な存在感。

アクリル樹脂の深い光沢と、ゴールド仕上げの金属パーツが組み合わさることで、ひと目で高級感が伝わってきます。
さらにリングや天冠、クリップといった細かい部分までしっかり作り込まれていて、「あ、これはただの筆記具じゃないな」と思わせてくれるんですよね。

超大型21金ニブ
キングプロフィット最大の特徴といえば、やはりこの超大型21金ニブです。

同じセーラーの「プロフィットスタンダード」と並べると、その違いは一目瞭然。
大きさの迫力はもちろんですが、ペン先に施されたバイカラー仕上げが加わることで、さらに特別感が増しているんですよね。
そして忘れてはいけないのが、ペン先に刻まれたセーラーの象徴「錨マーク」。

錨は「信頼」「希望」「安定」を意味するモチーフで、荒波の中で船をしっかり繋ぎ止める“拠り所”とされてきました。
セーラーにとっての錨も同じで、「どんなときも書き手に寄り添い、安心して任せてもらえる存在でありたい」という思いが込められているんだろうな、と感じます。
モンブラン149との比較
ここでよく比べられるのが、モンブランの「149」です。
サイズ感はかなり近いんですが、実際に並べてみると印象は違うんですよね。

右側のモンブラン149は、丸みがあってクラシカル。
重厚で堂々とした雰囲気があります。
一方、左側のキングプロフィットは、シャープで凛とした、日本的な洗練さをまとっている感じ。
どちらも“王者の風格”を持っていることに変わりはありませんが、方向性が違うので、これはもう好みで選ぶ楽しみがあると思います。
書き心地

セーラーの万年筆といえば「ガチニブ」。
硬めでしっかりとした書き味が特徴です。
このキングプロフィットもその系統に入るんですが、不思議なことに硬さの中にちゃんと滑らかさがあるんですよね。
芯が強いのに、引っかからずスラスラ書ける。そこが魅力だと思います。
今回使っているのはB(太字)。
インクフローが豊かで、書いた瞬間に紙の上でインクがじゅわっと広がる感じがたまらないんです。
濃淡も出やすいので、書いていてすごく気持ちがいい。

それと、このペンならではの体験がもうひとつ。
「筆圧ゼロ」でも文字がスッと出てくる感覚です。
大きなペン先が自然に紙の上を滑ってくれて、まるで手が勝手に動いているような不思議な感覚になります。
さらに魅力なのが、書いているときの
「サリッ、サリッ」という筆記音。
耳に心地よく響いて、ただ文字を書いているだけなのに、特別な時間を過ごしているような気持ちにさせてくれるんですよね。
どんな人におすすめ?

まとめ
皆さんの万年筆選びの参考になれたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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