なぜ日本製にこだわるのか

こんにちは、&Liebe代表の清水です。


「なぜ&Liebeは日本製にこだわるのか」についてお話しさせてください。


普段はあまりこういう話を前面に出すことは多くないのですが、

これからブランドを続けていく上で、

一度きちんと言葉にしておきたいと思いました。


少し長くなりますが、

よかったら最後まで読んでいただけると嬉しいです。


日本が好き


結論から言うと、

僕は日本が好きなんです。


せっかく日本に生まれて、

この国の文化や価値観に触れてきたからこそ、


自分がつくるものも、

日本の職人さんと一緒に作りたい。


それが、すべての始まりでした。


効率やコストだけで考えれば、

もっと別の選択肢があることも分かっています。


でも、


「誰と、どこで、どうやって作るのか」


そこにこそ価値があると、僕は思っています。


日本のものづくりの現状


ただ、現実は決して楽観的ではありません。


経済産業省が2024年5月に発表した

「繊維産業の現状と政策について」によると、


30年前には約50%あった国産比率は大きく減少し、


2022年の輸入浸透率は98.5%(国内製造比は1.5%)とされています。

つまり、日本で流通しているものの98.5%は海外製です。


かつては高い自給率を誇っていた日本の縫製業も、

コスト競争の激化や海外生産へのシフトによって、

この数十年で大きく縮小してしまいました。


縫製工場は減り続け、

職人の高齢化も進んでいます。


そして何より、

若い人がこの業界に入ってこない。


この流れは、今も続いています。


職人さんの言葉


ある日、

いつもお世話になっている職人さんの工房に伺ったときのことです。


何気ない会話の中で、

こんな言葉を聞きました。


「このままだと、日本の技術はなくなるかもしれない」


その言葉は、とても静かで、

でもどこか現実味がありました。


決して大げさな表現ではなく、

日々現場にいる人だからこそ出てくる言葉。


その一言が、今でもずっと頭に残っています。


目の前にあるこの技術や環境は、

当たり前に続いていくものではない。


そう思ったとき、

自分はどちら側に立つのかを考えました。


海外生産という選択肢


もちろん、海外のものづくりも素晴らしいです。


文具好きの方の中には、
海外製の文具を愛用されている方も多いと思います。


僕のペンケースの中にも、必ず海外製のペンが入っています。

そして、縫製の分野においても、
品質が高く、短期間で大量生産できる工場が多く存在しています。


実際に、

「うちで作りませんか?」

というお問い合わせをいただくこともあります。


価格も抑えられて、

大量生産も可能。


ビジネスとして考えれば、

とても合理的な選択です。


それでも選ばなかった理由


それでも、僕は日本で作ることを選びました。


理由はシンプルで、
自分の信念に反するからです。


大量に、早く、安く。


それが求められる時代の中で、

あえて、


時間をかけて、
一つひとつ丁寧に作る。


そんな日本的なものづくりに、
僕は強く惹かれています。


遠回りかもしれません。


でも、
このやり方でしか生まれない価値があると信じています。

そしてもうひとつ、
大切にしたいと思っていることがあります。


日本のものづくりで、
お客様に喜んでいただくこと。


そして同時に、
そのものづくりを支えてくださる職人さんにも、きちんと対価をお支払いすること。


もちろん、いちばん大切なのは、
お客様に喜んでいただけることです。


でもその裏側で、
作り手にもきちんと価値が届いていること。


その両方があって、
初めて良いものづくりが続いていくのだと思っています。


だからこそ、
どちらか一方だけではなく、

「使う人」と「作る人」。


どちらにもとって意味のあるものづくりをしていきたい。


それが、僕が日本で作ることを選んだ理由のひとつです。


海外のお客様にも

届けるということ


そして最近、
とても嬉しいことがあります。


日本で作ったものを、
日本のお客様だけでなく、
海外のお客様にも届けられていることです。


「日本の製品って、こんなにいいんだ」
「一生使いたい」


そんな声をいただくたびに、
この選択は間違っていなかったと、心から感じます。

遠く離れた場所で、
自分たちが関わったものが使われている。


その光景を想像するだけで、
なんとも言えない嬉しさがあります。


そしてそれは、
自分ひとりでは絶対にできなかったことです。


一緒に作ってくださっている職人さん、スタッフ、
手に取ってくださるお客様。


そのすべてがつながって、
初めて生まれているものだと思っています。


国や言葉が違っても、
「いい」と感じてもらえるものがある。


その事実に、
ものづくりの面白さと可能性を感じています。


これからも、日本でのものづくりを大切に続けていきたいと思います。


職人さんの誇り


この話を職人さんにしたとき、
こんな言葉をいただきました。


「自分たちが作ったものが、海外の人に使われてるってすごいことやな」


少し照れながら、
でも本当に嬉しそうに話していたのが印象的でした。


作り手の誇りが、
確かにそこにあると感じた瞬間でした。


価格についての正直な話


そしてもうひとつ、
少しだけ正直な話をさせてください。


僕たちのものづくりは、
決して原価が安くありません。


むしろ、正直に言うと高いです。


ただ、&Liebeは
商社や問屋を通さない「直販」の形をとっています。

そのため、中間マージンが一切かかっていません。


さらに、実店舗を持っていないため、
人件費や家賃などの固定費も最小限に抑えています。


とはいえ、
「実際に手に取って見てみたい」と思ってくださる方には、
本当に申し訳なく思っています。


いつかそういった機会も、
きちんとつくっていきたいと考えています。


もし同じ素材・同じクオリティのものを

一般的な流通に乗せた場合、


流通コストが上乗せされる分、

価格はどうしても大きく上がってしまいます。


そのため、&Liebeでは

卸販売を積極的には行っていません。


そもそも、卸を前提とした価格設計にしていないため、

無理が出てしまうからです。


だからこそ、

できるだけ直接お届けする形を大切にしています。

ただし、


ご縁があってお取り扱いいただいているのは、文具への愛を持ってくださっているお店だけです。


「どこで売るか」も含めて、

ものづくりの一部だと考えています。


だからこそ、&Liebeの価格は


「安さ」を追求したものではありませんが、

素材や品質に対して、

できるだけまっすぐでありたいと思っています。


&Liebeが届けたいもの


僕たちが作っているのは、
ただの「モノ」ではなく、

「時間」や「体験」だと思っています。


お気に入りのペンを手に取る時間。
机の上でふと眺める時間。


何気ない日常の中にある、
ほんの少しの楽しさや豊かさ。


例えば、

「これで大切な万年筆を職場に持っていける」
「仕事にもやる気が入ります」

そんなふうに言っていただけること。


あるいは、

気分が上がらない日でも、
お気に入りの文具が入ったポーチをふと眺めて、
少しだけ気持ちが上向くこと。

そんな小さな変化が、
日々の中に生まれていたら、

それ以上に嬉しいことはありません。


特別なことではなくていい。


ほんの少し、
日常が心地よくなる。


そんな時間を、そっと支える存在でありたいと思っています。


未来に向けて


そしてもし、

僕たちのような小さなブランドでも、
日本の職人さんと一緒にものづくりを続けることで、この技術や文化をほんの少しでも未来につなげられるなら。


それは、とても意味のあることだと思っています。


ただ、

世の中には、素晴らしいものづくりをされている会社さんが本当にたくさんあります。


その中で、

お客様に選んでいただけなければ、
事業を続けていくことはできません。


このブログを書きながら、
その当たり前のことを、改めて強く感じました。


だからこそ、

まずは目の前のお客様に喜んでいただけるようなプロダクトをひとつひとつ、しっかりと作っていきたい。

そして、

商品をお届けして終わりではなく、
同じ文具が好きな仲間としても、
つながっていけたら嬉しいと思っています。


大きなことはできないかもしれません。


でも、

目の前のものづくりに向き合い続けることで、
その先に何かが残っていくのだと信じています。


おわりに


だからこれからも、

&Liebeは日本で、丁寧に作り続けていきます。


たくさんは作れないし、

お待たせしてしまうこともあります。


それでも、

一つひとつの工程に向き合いながら、

しっかりと作られたものを届けていきたい。


そして、

手に取ってくださった方にとって、

長く使い続けたいと思える存在になれたら嬉しいです。


流行ではなく、

一時的なものでもなく、

気づけばずっとそばにあるような存在に。


そんなものづくりを、

これからも続けていきたいと思っています。


少し長くなりましたが、

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。