万年筆をしばらく使わないとき、

インクは抜くべき?

万年筆を何本か持っていると、どうしても使う一本が偏ってきます。


新しく迎えた万年筆が気に入って、そればかり使っていたら、以前よく使っていた一本を何週間も使っていなかった。


そんな経験はありませんか?


僕も、その日の気分や使いたいインクによって万年筆を選ぶので、気づけばしばらく使っていない一本があります。


そんなときに気になるのが、


「しばらく使わないなら、インクは抜いた方がいいの?」


ということ。


今回は、万年筆を使わない期間に合わせた保管方法をご紹介します。

▪️ 数日使わない場合

2〜3日から1週間ほどで、また使う予定があるなら、基本的にはインクを入れたままで問題ありません。


ただし、キャップはしっかり閉めておきましょう。


キャップがきちんと閉まっていないと、ペン先のインクが乾き、次に使ったときに書き出しがかすれることがあります。


机の上などで保管するときは、ペン先を上にして立てるか、横向きに置いておくと安心です。


ペン先を下にしたまま長時間置くと、万年筆によってはキャップの中にインクが漏れることがあります。

▪️ 2〜3週間使わない場合

数週間使わない場合は、万年筆のキャップの密閉性や、使用しているインクによって判断が変わります。


キャップの密閉性が高く、一般的な染料インクを使っている万年筆なら、そのままでも問題なく使えることがあります。


一方で、数週間使わないだけでも、ペン先のインクが乾いてしまう万年筆もあります。


「近いうちに使うつもりだけど、いつ使うかは決まっていない」


そんな状態なら、一度インクを抜いて洗っておく方が安心です。

そして、だいたいこういうときは、そのまま使わないことが多いんですよね(笑)


迷ったら、一度洗っておく。


それくらいの感覚でよいと思います。

▪️ 1か月以上使わない場合

1か月以上使う予定がないなら、インクを抜き、きれいに洗ってから保管するのがおすすめです。


長期間インクを入れたままにすると、ペン芯の中でインクが乾き、詰まりやインクの流れが悪くなる原因になることがあります。


コンバーター式の場合は、常温に近いきれいな水を吸って吐き出す作業を、水に色が出なくなるまで何度か繰り返します。

熱いお湯を使ったり、無理に細かく分解したりする必要はありません。


洗い終わったら、柔らかい布で水分を拭き取り、風通しのよい日陰でしっかり乾かします。


すぐにケースへ戻したくなりますが、内部に水分が残った状態で長期間保管するのは避けたいところ。


焦らず、十分に乾いてから収納しましょう。


万年筆の洗い方はこちら。

▪️ 使わない期間に合わせて判断する

保管方法を簡単にまとめると、次のようになります。


数日なら、インクを入れたまま。


数週間なら、万年筆やインクの種類に合わせて判断する。


1か月以上なら、インクを抜いて洗う。


もちろん、万年筆の密閉性やインクの種類、保管する場所の温度や湿度によっても状態は変わります。


久しぶりに使うときは、キャップの中にインクが漏れていないか、ペン先が乾いていないかを確認してから使うと安心です。

▪️ お手入れやコレクションを眺める時間も楽しむ

万年筆は、ボールペンと比べると少し手間のかかる筆記具です。


正直、「ちょっと面倒だな」と思うこともあります(笑)


それでも、インクを抜いて、ペン先を洗い、柔らかい布で拭く。


そんなふうに、一本の万年筆とゆっくり向き合う時間も、僕は嫌いではありません。

きれいになった万年筆を眺めながら、


「次は、どのインクを入れようかな」


と考える。


新しいインクを入れると、しばらく使っていなかった一本が、また新鮮に感じられることもあります。

そして、きれいにお手入れをして保管した万年筆のコレクションを、ゆっくり眺める時間も楽しいですよね。


&Liebeでは、そんな時間をもっと楽しんでいただけるように、現在、20本の万年筆をまとめて収納できるペンボックスを開発しています。(2026年8月)

まだ改良したいところがいくつかありますが、次のサンプルで納得できるものに仕上がればいいなと思っています。


書く時間だけでなく、手入れをする時間も、次に使う一本を選ぶ時間も、コレクションを眺める時間も楽しめる。


そして何年か経ったあと、久しぶりに一本を手に取ったときに、


「この万年筆をよく使っていた頃は、こんなことをしていたな」


と、あの頃のことを思い出して、少し懐かしい気持ちになる。


万年筆には、書いた言葉だけでなく、そのときの時間や思い出まで、少しずつ重なっていくのかもしれません。


少し手間がかかるからこそ、使うほど愛着が深まり、いつか思い出まで一緒に残っていく。


それも、万年筆の魅力のひとつなのだと思います。