
【初心者さん向け】
後悔しない
万年筆の選び方
万年筆に興味はあるけれど、どれを選べばいいのかわからない。
そんな万年筆初心者さんに向けて、「後悔しない1本の選び方」をわかりやすくご紹介します。
デザイン・メーカー・書き心地の違い、店舗とネットの選び方のポイントなど、実際に愛用している視点からお伝えします。
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まずは「見た目」で惹かれる一本を

万年筆の入り口は、何より「見た目のときめき」です。
筆記具でありながら、アクセサリーのように美しい万年筆。
クラシックな黒軸、キラキラ光る限定カラー、漆塗りや透明軸など、多種多様なデザインがあります。
迷ったときは、自分の「好き」に正直になってOK。
高級感のあるもの、かわいらしいもの、渋さを感じるもの。
持っていて気分が上がる1本なら、自然と使いたくなります。
最初から高額なものを選ぶ必要はありませんが、あまりに安価すぎるものだと「書き心地の悪さ」で使わなくなってしまうことも。
3,000〜10,000円くらいの万年筆は、初心者にも扱いやすく、長く使えるモデルが多いのでおすすめです。
2
信頼できるメーカーを選ぶ
万年筆は、「書く道具」である以上、品質とメンテナンス性が重要です。
初心者の方には、まず以下のような有名メーカーをおすすめします。
・PILOT(パイロット):日本メーカー。手頃な価格帯でも滑らかな書き心地。
・PLATINUM(プラチナ万年筆):インクの乾きにくさや長持ちする構造に定評あり。
書き心地はカリカリ系が多い。
・SAILOR(セーラー万年筆):日本の老舗メーカー。ペン先のバリエーションが豊富。細字や特殊ニブの仕上がりにも定評あり。
・LAMY(ラミー):ドイツ製。カジュアルで現代的なデザインが特徴。
・Pelikan(ペリカン):ドイツの老舗メーカー。インク吸入式などの伝統的な構造が魅力。
信頼できるメーカーの万年筆は、初期不良が少なく、もしもの時のサポートも安心。
万年筆に慣れるまでは、こういった実績のあるブランドを選ぶと失敗が少ないです。
3
自分に合った
「書き心地」を知るには?

万年筆選びで最も大切なのが、「自分の手に合うかどうか」です。
同じように見える万年筆でも、書き心地は驚くほど違います。
手の大きさ、筆圧、筆記スピード、紙の質。
それぞれの条件によって、ぴったりの1本は人によって異なります。
「デザインは画像を見て選べるけど、書き心地だけはネットじゃわからない」。
万年筆を買ったことがある方なら、一度はそう思ったことがあるのではないでしょうか?
見た目が気に入って購入してみたら、思ったより重かったり、手にしっくりこなかったり、インクの出が良すぎたり…
そんな“書き心地のミスマッチ”は、万年筆ならではの難しさでもあります。
絶対に失敗したくないなら...
店舗での「試筆」が一番の近道

文具専門店や万年筆の取り扱いがある百貨店では、実際にペンを握って紙に文字を書くことができる「試筆コーナー」がある場合があります。
筆圧の強さや書くときの角度をスタッフに伝えれば、相性の良いペン先や太さをアドバイスしてくれることも。
試筆を通して、「あ、これが自分の手に合うんだ」と感じられた1本は、きっと長く愛用できる相棒になります。
もちろん、近くに試筆できる店舗がない方もいると思います。
僕も田舎に住んでいるので、近くにはありません(笑)
その場合は、YouTubeのレビュー動画で書き味や音、スピード感をチェックしたり、SNSで「書いたときの感触」まで詳しくレビューしている人の投稿を見るのもおすすめです。
実際に使っている人の声や映像は、想像以上にリアルで、選ぶときの大きなヒントになります。
僕自身も、そういった情報をお届けできる存在になれたら嬉しいなと思いながら、日々万年筆の魅力を発信しています。
字幅は何を選べばいいの?

万年筆を選ぶとき、ほとんどの人が最初に戸惑うのが「字幅」の選び方ですよね。
FとかMとかBとか、アルファベットで表記されているけれど、それが実際にどんな字になるのかイメージしにくいですよね。
万年筆の字幅は、大きく分けると以下のようになっています(日本メーカーの場合):
EF(極細字):非常に細かい文字が書ける。手帳など小さいスペース向き。
F(細字):細かめで、漢字を書くのにも適している。初心者に人気。
M(中字):やや太め。なめらかな書き心地で、メモや日記に最適。
B(太字):線がはっきり太く出る。サインや装飾文字向き。
「細ければ細いほどいい」とは限らない

日本語は画数が多いため、細字が好まれる傾向にあります。
ただし、細すぎると紙の質によっては引っかかりを感じることもありますし、インクの色が薄く見えることも。
逆に中字や太字はインクフローが豊かで滑らかな書き心地が楽しめますが、手帳のような小さい欄に書くには不向きな場合もあります。
最初の1本には「F」か「M」がおすすめ

最初の1本としては、F(細字)かM(中字)を選ぶのが失敗しにくいです。
Fは汎用性が高く、ノートや手帳にも対応できますし、Mは書き味がなめらかで“万年筆らしい”書き心地を感じやすいからです。
また、メーカーによって同じFでも太さが異なることがあるので、迷ったときはレビュー動画や試筆を参考にすると安心です。
字幅ひとつで書く時間の心地よさが大きく変わるのが万年筆の面白さでもあります。
ぜひ、ぴったりの字幅を見つけてみてください。
4
ネット購入前にレビューを活用する

最近は、店舗よりもネットで万年筆を購入する方が圧倒的に多くなっています。
ただ、万年筆は個体差が出やすい筆記具です。
同じモデルでもインクの出方や書き味に微妙な違いがあることも珍しくありません。
だからこそ、本当は実物を手に取って確認するのが理想です。
とはいえ、近くに試筆できるお店がない方も多いですよね。
そんな時におすすめなのが、YouTubeなどのレビュー動画です。

インクの出方、ペン先のしなり具合、軸の太さや重さなど、
写真や文字ではわからない部分も、動画で見るとかなり具体的にイメージできます。
メーカーの公式サイトには載っていない、「実際に日常でどう感じたか」という感想や細かい違和感、逆に予想以上に良かったポイントなど、生の声にはヒントがたくさん詰まっています。
ちなみに、僕自身も基本的にレビューを見て購入を決める派です。
ネットで買うなら、誰かの体験を通して疑似体験をするつもりで、しっかりレビューを活用するのがおすすめです。
僕も、皆さんの万年筆選びの参考になるような情報をこれからも発信していけたらと思っています。
5
カートリッジ式?
コンバーター式って何?
万年筆には、大きく分けて「カートリッジ式」と「コンバーター式(吸入式)」の2つのインク補充方法があります。
初めて万年筆に触れる方は、まずこの違いを知っておくと安心です。
カートリッジ式とは

インクがあらかじめ小さな筒(カートリッジ)に入っていて、それを万年筆に差し込むだけで使えるタイプです。
使い方がとても簡単で、インクで手を汚す心配もほとんどありません。
✅ 初心者さん向け
✅ 出先でも気軽に交換できる
❌ インクの種類は限られる(メーカー純正が基本)
正直、めっちゃ楽です!
コンバーター式とは

コンバーターというパーツを使って、ボトルインクから自分でインクを吸入して使うタイプです。
好きなインクを選べるのが最大の魅力で、カラーバリエーションや季節インクも楽しめます。
✅ インクの選択肢が豊富
✅ 吸入する過程も楽しい
❌ 少し手間がかかる(手が汚れることも)
初心者さんには
どっちがいいの?
最初の1本には、カートリッジ式がおすすめです。
扱いやすく、外出先でも気軽に交換できるので、万年筆に慣れていない方でも安心して使えます。
一方で、インクの色にこだわりたい方や、「万年筆らしい手間」も楽しみたい方にはコンバーター式がおすすめ。
慣れてきたら両方を使い分けるのも楽しいですよ。
6
金ペン・鉄ペン
どっちがいいの?

万年筆を選ぶときに「金ペンか鉄ペンか」で迷う方も多いと思います。
これはペン先の素材の違いで、それぞれに特徴と魅力があります。
まず、金ペンと鉄ペンの最大の違いは素材です。
・金ペン:14K、18K、21Kなどの金合金が使われる
・鉄ペン:ステンレスや特殊合金が使われる
金は腐食しにくく、柔らかい特性を持つため、書き味がしなやかになることが多いです。
一方、鉄ペンはコストが抑えられ安価で流通されています。
金ペンとは?

✅ メリット
・筆圧によってわずかにしなり、滑らかに書ける
・錆びにくく、長く使える
・自分の手に馴染んでくる
・高級感がある
❌ デメリット
・価格が高め(1万円以上が一般的)
鉄ペンとは?

✅ メリット
比較的安価で手に入る(1,000円〜1万円程度)
❌ デメリット
モデルによってはカリカリとした書き味になることも
ステンレス製でも長期間放置すると錆びる可能性がある(インクによる錆び等)
どっちを選べばいいの?
初めての1本には、鉄ペンでも十分満足できる書き味のものが多くあります。
最近は鉄ペンでもなめらかな書き心地のモデルが増えており、普段使いにはぴったりです。
一方で、「書いているときの感触にもこだわりたい」「長く使って育てていきたい」という方には金ペンがおすすめです。
金ペンは、自分の筆跡や癖に少しずつ馴染んでいくので、使うほどに“相棒感”が増していくのが魅力です。
「金ペンと鉄ペンの違い」はこちらで詳しくは説明しています。
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7
初心者さんに
おすすめの万年筆は?
万年筆に初めて触れる方へ、僕が実際に使って「これはおすすめできる」と思ったモデルを4本ご紹介します。
書き心地の良さ、手に取りやすさ、デザイン性など、どれも初心者の一歩目にぴったりなモデルです。
① プレピー(PLATINUM)

価格帯は300ー500円程度。
とにかくコスパ最強。
インクが乾きにくい「スリップシール機構」搭載で、放置してもすぐ書ける。
初めての1本として「失敗ゼロ」と言える万年筆です。
② 無印良品 アルミ丸軸万年筆

価格は1,500円程度。
無印らしいシンプルで飽きのこないデザインで、どんなシーンにも馴染む一本。
軽すぎず重すぎず、初心者でも使いやすいバランス設計です。
③ LAMY safari
価格は3,000ー6,000円程度。
カジュアルな見た目としっかりした書き味が魅力。
グリップが独特な形状で正しい持ち方が自然に身に付くのも初心者に◎。
カラー展開も豊富で選ぶ楽しさあります。
④ PLATINUM #3776センチュリー

スリップシール機構が搭載されており、インクの乾燥をしっかり防いでくれるため、長期間使わなくてもすぐに書き出せる安心感があります。
万年筆は「自分に合うかどうか」で選ぶのが大事ですが、このあたりのモデルは書きやすさ、扱いやすさ、価格のバランスが本当に優秀です。
最初の1本で悩んでいる方の参考になればうれしいです!
最後に
「万年筆ライフ」を始めよう
万年筆は、ただの筆記具ではありません。
自分の手に少しずつ馴染んでいく感覚、書く時間が楽しくなる喜び、インクを選ぶワクワク。
使えば使うほど愛着が増していく、まるで相棒のような存在です。
「万年筆ってなんだか難しそう」と感じていた方も、選び方のポイントさえわかれば大丈夫。
まずは気になる1本を手に取ってみてください。
きっとぴったりの“運命の1本”は、きっと見つかります。
このブログやYouTubeでは、レビューや書き心地の紹介など、初心者さんにもわかりやすい形で万年筆の魅力をお届けしています。
万年筆を通して、「書くこと」がもっと好きになる人が一人でも増えたら嬉しいです。
僕も、皆さんの万年筆選びの参考になるような情報を、これからも発信していきますね。
皆さんの万年筆ライフの第一歩が、ここから始まりますように。